第5章 帰り道
図書館に着き、二階のグループ学習室に入る。
マヤは もう諦めの境地で、ここは何も考えずに部屋には自分の他には誰もいないものと思って自習しようと腹に決めた。
マヤが席に着き、参考書やノートを広げるのを見てから、リヴァイは学習室を出ていった。
?????
マヤは その行動を疑問に思ったが、いやいや もう彼のことは考えないようにするんだと頭を振った。
しばらくすると帰ってきたリヴァイが、机の上にカップの飲み物を二つ置いた。そしてドカッと座って足を組む。手には借りてきたであろう昨日と同じワーズワースがあった。
怪訝そうな顔をするマヤに、リヴァイは面倒くさそうに命令した。
「飲め」
「あっ すみません!」
慌てて お財布を出すマヤを見て、
「いいから飲め」
と、片手で制す。
「……ありがとうございます…」
きっと…、いいえ 払います!とか言い返すと、怒られるに違いない。
……怖い。
でも何故だろう。怖いリヴァイが買ってきてくれたミルクティーは、とても優しい味がした。