第5章 帰り道
「リヴァイさん!?」
「なんだ」
「なんだじゃないです! なんの用ですか?」
「送る」
「は?」
「……家まで送る」
「別に… いいですから」
「危ねぇだろ」
「危なくないです! 子供じゃないんだから」
マヤがリヴァイに突っかかっていったとき、結構なスピードで走ってきた自転車が、すれ違いざまにリンリンとベルを鳴らした。
「ほら、ちゃんと前を見て歩け」
「………」
危なくないです、私にとって危ないのは… 学校からつけてきて、今こうして家にまでついてこようとするあなたです!……と言いたいが言えない。
その代わりに違うことを訊いた。
「お礼をしなくちゃ駄目なんですよね…?」
「いや、それは当分いい」
「え? じゃあ… なんで来たんですか?」
リヴァイは立ち止まった。
マヤはリヴァイの顔を見上げる。