第18章 二千年後の君へ
やっと想いを通じ合えることができたリヴァイとマヤが、寄り添いながら屋上から廊下へ通じるドアを開けて出てくると、パンパン! と大きな音がして紙吹雪が舞った。
「リヴァイ! マヤちゃん! おめでとう!」
びっくりしたマヤが音のした方を見ると、モブリットがパーティークラッカーを鳴らし、ハンジが嬉しそうに拳を突き上げている。
「なんの真似だ、クソメガネ」
リヴァイが不機嫌そうに、眉間の皺を深くする。
「やだねぇ、照れちゃって! ってかさ、待ちくたびれたよ。何してたんだい? 話だけなら こんな時間かかんないんじゃないの?」
ハンジのニヤニヤする視線に、マヤは耳まで赤くなった。
「エルヴィンが待ってるよ」
ハンジはそう言って、ずんずんと廊下を先に進んだ。
社長室まで来ると、ノックもせずに いきなりバーンとドアを開ける。
「お待たせ~!」
ハンジはソファに座っていたミケの隣に、腰を下ろして足を組んだ。
エルヴィンがリヴァイとマヤにも座るようにうながした。
リヴァイはマヤをソファの端にそっと座らせて、自分はその隣に囲うようにドカッと座った。
その様子を見ながらエルヴィンが、穏やかに訊いた。
「リヴァイ、お前の覚悟は通じたか?」
「……あぁ。世話になったな、エルヴィン」
「風丘さん、“ホストの彼” をもう捜す必要はなくなったね」
「はい… ほんと私、勘違いしちゃってて恥ずかしいです」
マヤが赤くなってもじもじしていると、リヴァイの不機嫌そうな声が放たれた。
「おい、“ホストの彼” ってなんだ」
「クーーーーーーーッツ、クックック!」
ハンジとミケが、笑いを噛み殺している。
モブリットは、少し困ったようにしている。
マヤは、きょとんとしている。
「あの… リヴァイさん? 聞いてないんですか?」
「あ? 何がだ」
エルヴィンが澄ました顔で説明した。
「風丘さんは、お前をホストだと勘違いしていたんだ 」
「あぁ!?」
リヴァイがマヤを睨む。
「彼女が姿を消したお前に逢いたくて歌舞伎町にいたところを、私が偶然出くわしてね。そこで風丘さんがリヴァイ、お前をどんなに好きかを聞かされたって訳だ」