第3章 アレン、入団する
いつのまにか日が昇り、トレーニングが終わったのかユウが私に問いかける。
「そういえばお前、幻覚見たり幻聴聞いたりするのか?」
「そんなのはないよ。ユウは見たり聞いたりするの?」
「……………」
「するんだ…。何でいきなりこんなこと聞いたの?」
「……………なんとなくだ。気にするな」
なんだか誤魔化された気もするが、気にしないことにする。
それよりも気になるのは、その症状はずっと続いているのかというところだ。もし一瞬だけなら聞いてくる事はないはず。
「ずっと続いてるの?」
「…お前には関係ない。それよりも早く飯食いに行くぞ」
「…………」
あの反応は肯定と捉えても良いのだろうか。でもセカンドである私達は病気になることは無い。
「………い。……お…い」
だとすれば精神的あるいは前の記憶が関係して…?
「おい、聞いてんのか?」
「あっ、ごめん。聞いてなかった」
「チッ、飯食いに行くぞっつってんだよ。置いてくぞ」
「分かった、行く行く」
これ以上考えても私はユウじゃないから分からない。とりあえずこの事は頭の片隅にでも置いとくことにして、朝ご飯を食べに行った。