第3章 もう逃げられないよ♡
ロイド
「さぁここが、これから真白ちゃんが住むお家だよ」
そう言って開かれた洋館の中。
真白は中を見て思わず息を呑む。
白で統一された室内。
玄関ホールには両脇に置かれた階段に黒の柵が立て付けられ、赤い絨毯が敷いてある。
それに大理石の床の上には上質な毛皮が冷たい床を覆い、頭上にはド派手なシャンデリアが空高くから真白たちを照らす。
まさに、異国の貴族たちが住むようなお屋敷だ。
絵画や、彫刻、絢爛豪華な並びに真白の目がキョロキョロと泳ぐ。
サディアス
「クスッ。この様な家に来るのは初めてなのかい?」
落ち着きのない真白にサディアスは隣で柔らかく笑った。
『あ、すみません。初めてで慣れておらず』
不快感を与えてしまったと思い謝る真白だが
サディアス
「初めてなら仕方ないさ。ここでゆっくり慣れていくといい。」
サディアスはさして気にしておらず、
むしろ緊張させないよう柔らかくフォローを入れた。
(やはりサディアスさんは見た目同様大人だ。
ーーにしても、この豪邸…社長とかなのかな?)
ロイド
「あ、サディアス。今、客間にみんな集(つど)ってるって」
サディアス
「そうか、なら真白をそこに案内してあげなさい。私はお茶とお菓子を持ってから行くよ」
ロイド
「わかった。じゃ真白ちゃん、俺に着いて来てね♡」