第1章 だから男だっつの!
「ところで、見ない顔ですけど...」
さっき木兎に赤葦と呼ばれた彼が話題を変える。
「今日転校して来たんだ、よろしく」
「そうだったんですか。
バレー部にはどうして?って、聞かなくても明確ですね。
神楽雪さん。
有名なセッターですよね、フォーム参考にしてます。
入部希望ですか?」
「あ、知っててくれてんだ。
フォームもあんがと。
一応入部希望なんだけど、途中から入れるのか?」
「大丈夫だと思いますよ。
俺は2年の赤葦京治です」
「赤葦は副キャプテンなんだぜー」
その後、監督が到着し、今日の練習に参加させて貰えることとなった。
「...やっぱり凄いですね、流石です」
「赤葦...サンキュ。
赤葦はフォームが綺麗だね、いつも安定してるし」
「そう言って貰えると嬉しいです。
俺、あなたに憧れているので」
「え、まじで...?」
「はい。
中学の時見学した試合で見て、頭の回転とかフォームとかチーム内の空気の把握やコントロール...。
凄いところを挙げたらキリがないです」
俺、単純だから真に受けちゃうぞ。