第6章 クロノスローン
エンデヴァーの息子にあってから2日が過ぎた。
あれから友夏に関する情報は何も掴めないまま、私は今日も管轄内のパトロールに出動する。
「あ、ツバクローさん!お仕事頑張ってくださいね〜」
「ファンです、応援してます!」
「ありがとう!」
私は道行くファンの人達にいつも通り笑顔で応える。
「ひったくりぃぃい!!だれかあの男捕まえてぇぇえ!!」
数百メートル先におばあちゃんのかばんをひったくった男が走って行く姿を見て私は空を飛んで追いかける。
男が右側にある路地に入ったのを見て、出口の方まで飛んで先回りして捕まえた。
「観念なさい!」
「ってぇ…クソォ!」
捕まえた男の顔を見て私は驚いた。
「……義兄さん!?」
そう、捕まえたのは私がずっと探していた人物。
私の義理の兄であり友夏の父親
「お前…ツバクロー、まだヒーローなんかやってたのか」
「義兄さん…久しぶり。あなたには聞きたいことがたくさんある。まずかばんを持ち主に返した後でお話聞かせてもらえないかな?」
私は義兄さんを路地から引きずり出してかばんを持ち主のおばあちゃんに返して警察に行く前にカフェに寄った。
義兄さんは相当お腹が空いていたのかフードメニューをたくさん頼んで食い散らかしていた。
「お前が食わせてくれるんならひったくりなんかしなかったのになぁ」
「義兄さん、それ食べて話聞いたらすぐ警察まで一緒に来てもらうからね」
「へーへー、分かってらぁ…んで、なんだ?俺に聞きたいことってのは」
「友夏の事よ、あの子を養子に出したって聞いたけどあれは本当?」
「あぁ、本当だ。」
「どこに養子に出したの?」