第1章 あの夏の日の女の子
ミーンミンミンミーン……
高校一年、合宿前のつかの間の夏休み。
俺が、部屋で宿題を片付けていると緑谷、上鳴、切島、峰田の4人が部屋に押しかけてきて4時間もの間居座っている。
「なぁ緑谷、轟の部屋涼しいな」
「切島くん、それは峰田くんが凍ってるからじゃないかな?」
峰田は俺の部屋に来るなりエロ本探そう!なんて言って部屋のあちこちをウロウロし始めたから峰田を凍らせて部屋の隅に置いておいた。
「ところで、俺になんか用あるのか?」
「あ、そうだった。ここの数学の問題分からないから教えてくれないか?」
「上鳴、貸してみろ。…あぁ、これかxのところに5を代入すれば解けるぞ」
「さっすが轟!」
上鳴の宿題を少し見てやっていると
ガタッ…
「おぉ!?」
「…っと、セーフ!」
トイレに行くため外に出ようとした切島が凍らせておいた峰田に躓いて峰田を倒しそうになったところを緑谷がキャッチした。
バサバサっ……
峰田をキャッチできたが、峰田を転がしておいた近くの棚に置いてあったアルバムが1冊床に落ちた。
「悪ぃ、緑谷」
「僕は大丈夫…それよりこれ」
緑谷はアルバムから飛び出た一枚の写真を拾い上げ、切島と上鳴もそれを見る
「かなり幼いけどこれ轟?」
「てか、隣の女の子可愛くね?」
「でも誰なんだろう、この子…」
「見せてくれ」
俺は緑谷から写真を受け取ってそれを見た。
「……懐かしいな」
「なぁ、その子誰なんだよ?」
切島が焦ったそうにそう聞いてくる。
「クソ親父が昔連れてきた子だ。後にも先にもクソ親父が俺に人を連れてきたことなんてなかったからよく覚えてる…確か、名前は………
友夏、だったな」
「エンデヴァーが女の子を!?」
「想像つかねぇな!」
「なぁ、その話もっと詳しく聞かせてくれよ」
「詳しくって言ってももう8年も前の話だぞ?あんまり覚えてない。少し長くなるかもしれないけどそれでもよければ話す」