第1章 タイムスリップ⁈
授業中だって、眠そうに窓の外を眺めている。
好きになるまでは、ただのライバルだったのに。
去年の夏。
私は所属しているソフトテニス部で、ボール拾いをしていた。
運動が苦手で、テニスだって下手。
それでも、続けていた。
でも、下手すぎて嫌になることもあった。
失敗するたびにごめんなさいって謝って。
謝るならちゃんとしろ、って目を感じて。
だから私は、ボール拾いに逃げていた。
この日も。
(また、ボール綺麗に打ち返せなかったな、、、)
はあ、とため息をついて、
また足元のボールをラケットの上に乗せた。
すでにラケットの上のボールは山になっている。
バランスをとりながらテニスコートを回って。
隣にある男子コートのそばを通りがかったとき、
女子の方からボールが飛んできて、
ラケットを 持っている手に当たった。