第1章 タイムスリップ⁈
「先程、佐助様が時間の感じ方は人によって違うということをおっしゃっていましたが、
私は書を読んでいると時間がわからなくなるのです、、、」
三成様の瞳が、気まずそうに揺れる。
すると、秀吉様の真一文字に結ばれていた唇が、ふっと緩んだ。
「全くだ。三成。また寝癖がついてるぞ。」
「申し訳ありません、、、後ろは自分で見えないもので。」
「全く。見えてなくても普通はついてないでしょ。主君に寝癖を直させる家臣なんて、どっかの誰かさんだけだよ。」
秀吉様に寝癖を直してもらっている三成様に、家康様がそう毒づいた。
(やっぱり、関ヶ原で戦いを起こすくらいだから、仲は悪いのかな、、、?)
「秀吉様、申し訳ありませんでした。
家康様の寝癖は、私が直させていただきますね!」
三成様が、家康様に笑顔で返す。
(嫌味が通じてない、、、!)
「俺のはただの猫っ毛。粗相した誰かさんと違うから。」
「どなたか粗相なさった方がいらしたのですか?」