第1章 タイムスリップ⁈
「あの、佐助様、、、?」
なんと呼べばいいか分からず、とりあえず失礼のないように様付けで呼ぶ。
すると、佐助様はわずかに眉を寄せた。
「様付けはやめてほしい、幸帆さん。そんな柄じゃないから。」
「じゃあ、、、なんと呼べば?」
「幸帆さんさえよければ、舞さんと同じように君付けで頼む。」
「わかった。佐助くん、趣味でタイムスリップの研究をしているって言ってたけど、
どうしてタイムスリップしたか知ってるの?」
「ああ。俺の研究では、ワームホールという時空の歪みに巻き込まれたことが原因だ。」
「帰れる可能性は?」
ないって言われたらどうしよう。
未来に帰れなかったら、二度と涼に会うことは出来ない。
好きって言えなくても、
ましてや恋人になんてなれなくても、
遠くから見てるだけってことすら出来なくなる。
(それは、、、いや。)
焦りが身体中を蝕んでいく。
(焦ってはダメ。焦ったって、何もかわらないから。)
頭ではそう思うのに、心はどうしようもない。
ドキドキしながら佐助くんの次の言葉を待つ。
「帰れる可能性は、、、」
「佐助の登場でうやむやになっていたが、幸帆、三成の質問に答えろ」