第1章 タイムスリップ⁈
突然、天井の方から声がした。
どこか、懐かしい心地に襲われる。
「佐助くん⁈」
舞さんが嬉しそうにパッと顔を輝かせた。
ひらり、と華麗に着地したその人は、ずれたメガネをくいっと押し上げた。
「なんで入ってこれるんだ、、、
城の警備も強化したんだぞ、、、」
秀吉様のつぶやきも華麗に無視して、佐助、、、
名前と、忍者っぽい感じからして、多分猿飛佐助だと思うけど、、
は、舞さんの方に向いた。
「久しぶり、舞さん。元気そうで安心した。そして、君は、、、」
メガネの後ろの三白眼がこちらに向けられる。
「あ、幸帆です。真谷幸帆。」
「はじめまして、幸帆さん。君は、、、
もしかして平成からきたのか?」
「はい。もうすぐ令和になりますけど。」
「れいわ、、、?」
舞さんの声と猿飛佐助の声が綺麗に重なって聞こえた。
「一月後くらいに元号が変わるんです。」
「そうか、、、君は、俺たちより後から飛ばされたんだな。
そうだ。自己紹介が遅れてすまない。」
スッと猿飛佐助が姿勢をただしたので、慌てて私も背筋を伸ばす。
「俺は佐助。趣味でタイムスリップを研究している、宇宙工理学の大学院生だ。」
「私は水崎舞。夢だったデザイナーに転職が決まって、ご褒美の京都旅行の時にここに飛ばされたの。」
「つまり、、、俺たちは、君と同じだ。」
「やっぱり、そうだったんですね。」
思わずそう呟くと、舞さんが目を見開いた。
「幸帆ちゃん、驚かないの?」