第1章 タイムスリップ⁈
でも、ほかに捕まる理由なんて知らない。
色々と考えていると。
「おや、目を覚ましたか、物の怪の姫。」
木の格子の向こうに、男の人が来た。
その髪は白銀に輝き、くらい牢でも明るく見えた。
「物の怪の姫、、、?」
男の人の発した言葉の意味を捉えかね、鸚鵡返しに聞き返す。
「おや、物の怪の姫は知らないふりも得意のようだ。」
そう言いながら、男は牢の鍵を開け、中に入ってきた。
ズイ、と身を寄せられて、逃げ場を失う。
(うわ、下まつげ長い、、、)
琥珀色の瞳が妖しげに細められる。
そして、彼の右側に、鉄砲があることに気がついた。
「な、なんのことですか?」
震える声で、なんとか聞き返す。
男はククッと笑って、少し身を離した。
「この鉄砲が怖いか?」
答えられずにいると、男はニヤっと口角を上げて。
「安心しろ。俺の質問に素直に答えられたら、これが火を噴くことはない。
ただ、、、答えなかったときは、、、ククッ」
その感情の読めない笑みに、背筋が冷たくなる。
「あ、あなたは、誰なんですか」
「俺か?俺は、、、
明智光秀だ」