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【文スト】熱く深くドロドロに

第2章 最悪の再会


いつもなら優しい彼が俺の独断だ、と言った時の瞳には狂気を感じた。
外れるわけのない手錠をガシャガシャと鳴らし、必死に抵抗を試みる。

外れろ、と。

決して外れることはないのに、、、
私には鎖を簡単に外す筋肉もなければ、関節を外して抜け出す技術も持ち合わせていない。
無駄だと分かっていてもそれしか抵抗する術がなかった。私も馬鹿ではない。彼が次にどんな行動に出るか予想はできていた。

「海、上向けよ」

勿論、私から上を向かない。自分から向いたら負けだと思っていたからだ。
結局は顎を掴まれて無理矢理上を向かされるのだがね。

そのままキスをなすがままにされ、抵抗し中也の唇を噛む。これを繰り返していた。だが、唇を交わせば交わす程にその行為はディープになっていった。

頭は真っ白、目は涙で視界はボヤボヤ、脚の力は抜けてプルプルと震えててきた。

「キス慣れてねぇのか、意外だな」

中也が不敵に笑う。

幼い頃から恋と言うものを知らず、意識すらしてこなかったせいか…治さんとこのような雰囲気になっても、のらりくらりと交わしていた。交わせない場合は受け入れていたのだが……。したくないと言えば嘘にはなる。好きな人といればその様な気持ちの一つや二つくらいは私にだってある。結局は怖かったのだ。幻滅されるのが怖くて……


嗚呼、相手が治さんであればどんなに嬉しかっただろうか。
あわよくばヒーローのようにこのピンチを助けて欲しいだなんて、烏滸がましいであろうか?

「太宰のヤツなんて考えてんなよっ」

私の心を手に取るようによむ中也に現実に引き戻された。身体中を弄る手によって……
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