第1章 けんか[東海てつや]
「てつやの迷惑になってたなら、ごめんっ」
「あちょ、おま.....」
は外へ駆け出して行った。
「あーあ、やちゃった。」
「さすがにねぇ」
彼女が居てフリーの人よりは女性の気持ちが少しわかる虫眼鏡としばゆー。
「なんで?俺はただ素直な気持ちを言っただけじゃん。」
「それ、素直な気持ちじゃなよ。」
は?と不思議そうな顔をして首をかしげるてつや。
「てつやはに誘われて照れ臭いんだよ」
そうりょうが言うがてつやは分かってないようになんで?と聞く。
「はぁ」りょうがため息をつき問いに答える。
「てつやはがすきなんだよ。
ふとした瞬間ずっと目で追いかけてるし、と遊びに行ったら次の日は自慢見たいに話して来るし。
そろそろ自覚した方がいいよ。」
りょうが話終えるとてつやは固まっていた。
「わかったなら探してきなよ、姫を。」
てつやは玄関に走り出そうとしたが一旦止まって、
「ありがとな!」
そういい背を向けて走り出した。
その背中は自分に自信を持ったように見えた。
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てつやは岡崎中を駆け巡った。
あいつのことだから遠くには行かないだろうと信じて。
かなり走ってそろそろきつくなってきた頃
「居たっ!」
と叫んだその声には気付き気まずさで走り出した。
が、直ぐ追いつかれ手を捕まれ抱き締められた。
「ごめん。」
人生で経験することすらないと思っていた、少女漫画見たいなシーンに喧嘩中なのにドキドキしてしまう。
「花見みんなで行こう。」
「なんで?めんどくさいんじゃないの?」
「めんどくさいとかじゃなくて、」
「ただの照れ隠しだった。」
照れ隠し?とは聞く。
「.....そ、照れ隠し。誘われてただ嬉しかっただけだ。」
「だからみんなで花見行こうな!」
告白はしなかった。喧嘩の後に告白は何か臭いなと思ったし、てつやももまだ自由の実の方が楽だろうとと感じたから。
「うん、ありがとう。」
家帰ったらみんなに礼しないとな。