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続短編集…あんさんぶるスターズ!【あんスタ】

第11章 夏の約束 漣ジュン


いつもの木陰のベンチ。

彼女は眠っていた。本が落ちている。


無防備に見えたが、ほとんど人は通らない場所なので大丈夫だろう。


「……………漣?」


すぐに目を覚ました。気絶する時間はそう長くないのかもしれない。


「ライブ、やるのか」

「…寝起きに何言い出すの」

「やるのか」

「やるよ」

「体調は」

「さぁ?」


落ちている本を拾いあげる彼女は、土ぼこりを払った。



「…………なぁ。お前、約束してくれるか。」

「……何を?」



ジュンは彼女に言った。



「ライブのあとに俺と、海に行って…花火して………かき氷食べに行くこと。」

「……………………」



彼女は驚いたように目を見開いていた。少し考えたあと、少しずつ話し始めた。


「………それは………。私、全部やったことない」

「じゃあやろう。絶対。」

「約束?」

「約束だ。だから、ライブ頑張ってこい。」

「…………………」


ジュンが言った。

激励とも言える言葉だった。


「漣」


彼女は、笑った。








「いつもありがとう」



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