• テキストサイズ

続短編集…あんさんぶるスターズ!【あんスタ】

第5章 好きでしょ? 葵ひなた


…………いや何やってるの?


私は駅に一人でポツンと立っていた。


夢ノ咲からどうやって駅に行くのか知らなかったので、新たな新地開拓ができたと言えばプラスだ。


(あーあ、ばっかみたい。あの二人のことなんてもう知らない。)


何てことを毒づいたがモヤモヤは止まらない。


(……………)


私は立ち止まった。

赤信号がギラギラ光って見えた。


(…………………わかってるのに)


まるで私を訴えるようにそれは光り続けていた。


(…………………………………………こんなはずじゃなかったのに)


ひなたとゆうた。

ただの知り合いだった。バイト仲間だった。父がよく気にかけて面倒を見ていた子達だった。大道芸が面白くて、よく見せてくれた。お店の皿を一枚も割らない器用な子達だった。


それだけなのに。

それだけだったのに。




_______変わってしまった





ひなたとゆうたは、私の中で大きな存在だった。あの二人がいたからこその思い出が私には多すぎた。


「………言わないでよ」


駅前の道路は、やたらと騒がしくて賑やかで、車がよく通っていた。



「………………“好き”なんて言わないでよ」



私は一歩足を踏み出した。
車が来ていることはわかっていた。信号がまだ青にならないことはわかっていた。

でも。



もう、そこしか私の行き場所はない気がした。











































「「!!!!!!」」




























信号が青に変わった。まだ帰省ラッシュの時間ではないのか、その横断歩道を歩く人はいなかった。

二つの手で後ろに引っぱられて尻餅をつく私と、そんな私を肩で息をしながら見下ろす双子がいた。


「…………ッこのバカ!!!!!」

「ほんっとバカだよ!!!!!」


二人は怒ったように叫んだあと、力が抜けたのかへなへなとへたりこんだ。


道行く人が何事かと道端に座り込む三人の高校生を見ていた。
/ 97ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp