第1章 出会い
「帰るとこないならこの船にいればいいじゃん!」
「そうそう!かわいい子大歓迎っスよ…!!」
さっきと同じ2人の男の人が私のことを見て騒いでいた。
「…おめェらいい加減にしねェとバラすぞ」
バラす…って何かしら…何か秘密でもバラされるのかしら…
「でもキャプテン。本当にリンをこの船に置いた方がいいんじゃない?あの街に帰したとしても、また海軍の奴らに…」
あぁ、何この癒しのシロクマ…!!かわいい…ぎゅーってしたらモフモフかな…
リンは皆の話を聞きながら、こんなことを考えていた。
「…チッ仕方ねェ…おいリン。おめェは今日からこの“ハートの海賊団”の一員だ。」
「私を置いてくれるの…??でもっ…私が居たら海軍に…」
私がここに居たら、この船は常に海軍に追いかけ回されることになるだろう。
この人達は海賊だ。
海軍に追いかけ回されるなんて…迷惑でしかないだろう。
「海軍なんておめェが居ようが居なかろうが追いかけてくるだろ。まだ名を言ってなかったな。俺は“トラファルガー・ロー”。この船の船長だ。」
「俺はシャチ!」
「俺はペンギン!!」
「僕はベポだよ~!リン、これからよろしくね!」
こんな私を置いてくれる人がいるなんて。
「皆…よろしくね!」
私は自然と笑みが溢れた。