第1章 出会い
「あの、助けてくれたんですよね?ありがとうございます。」
「キャプテンがお姫様抱っこで船まで運んだんだよ。キャプテンこんな顔だけど優しいんだ!」
ベポが、自分の船長はかっこいいだろ?というように自慢気に言った。
「お、お、お姫様抱っこ!?」
「勝手にペラペラ喋ってんじゃねェよベポ。仕方ねェだろおめェが目の前で倒れんのが悪ィ。第一俺は医者として…」
「アイアイ分かった分かった…医者として目の前に現れた患者を見捨てられなかっただけ、でしょ?」
昔からずっとローと一緒にいたベポは、ローが耳を赤くしているのに気付いていた。
「…チッ…生意気なシロクマめ…で、おめェ、名はなんだ。」
「リン、です…」
お姫様抱っこされたということを聞き、まだ顔を茹でダコのように赤くしている。
「…かわいいな天使みたいだな…」
「おう…かわいい子だ…」
ドアの隙間からシャチとペンギンが覗いていた。
「…おめェらそこでなにやってる。ベポ、そいつらどーにかしろ。」
「アイアイキャプテン。ほら行くよ」
ドアの隙間からベポが2人を引きずって行くのが見えた。
「リン、これからどーすんだ。体調戻ったみてェだし、街に帰せばいいのか?」
そう聞くと、リンは黙ってしまった。