第4章 タイムリミット
「ベポ~、次はどこの島へ行くの?」
海の上を、さらさらと風が渡っている。
天気も良く、甲板はとても心地が良い。
「もうすぐサンディ島ってとこに着くよ。まぁそこではウォーターセブンのエターナルポースと食料の補給が目的だよ。」
私はグランドラインについての本を見て、“サンディ島”を探した。
「サンディ島…アラバスタ王国っていうとこがあるのね。」
この人達とあとどれだけの島に行けるのだろうか。
「なァリン。誰にも言わねェから正直に言ってくれ。」
私がアラバスタ王国について調べていると、シャチがいきなり真面目そうな顔で聞いてきた。
(もしかしてバレてるのかな…)
心臓がどきんっと音をたてる。
「リン……キャプテンのことどう思ってる。」
「ろ、ロー!?」
急に出てきたその名前に思わず動揺してしまった。
ローの顔が頭の中でぐるぐると回る。
「…っ……どうって…この船の、そして私の船長さんよ。」
「本当にそれだけか?」
“本当にそれだけか”って?
ローが抱いてくれた時、撫でてくれた時に感じた心地良さ。
あれはなんなのか。
私の船長だから?
こんな私を船に乗せてくれた優しい人だから?
一緒に居て楽しいから?面白いから?
分かってる。
分かっていても、分からないふりをしているのだろう。
決して気付いてはならない。
今も、その先もずっと
ローは、私の“船長”でなければならない。
それ以上にも、それ以下にもなってはならない。