第3章 隣にいたいと願うこと
「…おい帰るぞ。アイツらも心配してるだろ。」
「うん…」
リンも泣き止み、船へ帰ろうとしたその時。
…ドサッ
「チョッパー…!」
“チョッパー”と呼ばれた奴は……タヌキか?トナカイか?
「リン…よ、よかったな…その…そいつとまた喋れて…」
「あァ?何の話だ。」
俺がその喋るトナカイを見ると、そいつは“ヒッ”と悲鳴をあげて木の後ろに隠れた。
「じゃあね。チョッパーは海に出るんでしょう?なら、また会えるわ。」
「うん…おれ、がんばるよ!!」
「一緒にいてくれてありがとね!」
自分が探し回っている間コイツらは一緒に居たのか。
そう思うと、またイライラしそうになったが、コイツは動物だ。
許してやることにした。
「チョッパーはヒトヒトの実を食べたトナカイなんだって。また会えるといいなぁ。」
リンは星を見上げて呟いた。
そのキラキラとした笑顔を、失いたくないと思った。
けれどおれはまだ知らなかったのだ。
リンに何が迫っているのかを―――。