第3章 隣にいたいと願うこと
自由行動とは言ったものの、自分は特に何もすることがない。
シャチは酒
ペンギンは女
ベポはメス熊
リンは―――
リン?
後ろを振り向くと、
シャチとペンギンは街へ
ベポは山の方へ向かっていた。
(くそ……アイツどこ行きやがった…)
シャチもペンギンもベポも姿が見えるのに、リンの姿が見えない。アイツの足がそんな速いとも思えない。
あいつにもやりたいことや行きたいとこくらいあるはずだ。
分かっている。
分かっているけど、
胸騒ぎがする。
嫌な予感がする。
「チッ…」
こういう時の自分の勘は無駄に当たるのだ。
なにかあったらまた面倒なことになる。
だから探しに行くだけだ。
おれは誰にも聞かれていないのに、心の中で言い訳をしてリンを探しに行った。
リンに何が襲い掛かろうとしているのかも知らずに―――。