第3章 弱点
校舎を出て、踵を踏んでいた靴をきちんと履き直して
校舎の本当に裏の草むらに移動する
いつもは、大抵人目につかないところだから
昼を食べる生徒には穴場のとこなんだけど………
「………あ」
裏庭には、大きな木(なんの木かはわからない)が映えていて
すぐ下には、青い煤けたベンチ
メガネを赤司くんに盗られている私は、ノーメガネの状態で
ベンチはくっきりと見えなかったけれど
確かに、そこには先客がいた
一人で、お昼でも食べているのかな
しかし、こんな穴場に珍しい
静かな空間での勉強を望む私が踵を返すと
「___あの」
後ろから、声をかけられて
しまいには腕を捕まれた
「……は、はい?」
そこには、確かに、見覚えのある水色の髪の……
「この前、ぶつかった人ですよね?」
まさしく、一週間ぶりの見知らぬ水色くんとの再会だった