第2章 完璧
「____つ………噛みついたね」
それでも、赤司くんは指を抜かない
それどころか、赤司くんが指を動かして
口の上顎らへんを撫でた
「…ふぁっ………ぅ…」
「上顎は第一の性感帯だよ
おとなしくなった?」
そして、キスするときもここを攻めると効果的らしいね
なんてマメ知識までもを教えてくれるけど
正直、今はそれを鵜呑みにしてる余裕がなかった
背中を走るゾワっとした初めての感覚
よく、怖い話とか聞いたりしたときに感じるもんなんかじゃない
『背中がゾワっとした』みたいな…………
表現は一緒だけど
まさか、散々自分が見てきたフィクションの感覚を
まさか、まさかまさか私が体験することになるとは………!
「どう?」
「…ふっ…………」
自信気に聞いてから、何事もなかったように指を抜く赤司くん
どう?と言われても………
「なんで………指突っ込むの?!?!」
「なんでって………」
単刀直入に述べる私にたじろぐ赤司くん
指についた、私の口の………液?(ヨダレというと表現が汚くなって私が空しくなるので)が付いていた
「き………汚いじゃん…………私の口んなか!」
「そんなことないよ」
いや、そんなことあるから
他人の、ましてや異性のなんか
そんなことないよ、ってどういうことよ………
「そんなことないって………
赤司くんも私と同じく変態じゃ「ない」………」
「覚えときなよ彩空
これは、オレに逆らったお仕置きってことだ」
そして、彼は自分の濡れた親指を
ペロリ、となめた