第17章 会いたい
「中也♪」
「…なぁ白」
「聞いて?中也」
先刻と打って変わり落ち着いた表情。
「あのね、私も『人間』じゃない」
「なっ」
「神様の御使いって云うとこかな」
「…」
「私、今まで一度も能力の事『異能』って云った事無いんだけど、気付いてる?」
「…」
思い返すと、そう云う風に何時も云っていたな、と気付く。
「多分、両方異能じゃない」
「…何でそう云える」
「太宰の異能が効かなかったから」
「…手前も作られた人間なのか?」
「ごめん、違う。消されてるけどちゃんと碧紅財閥の子だから」
「なっ」
碧紅財閥とは、横濱の本当のトップの組織。
政府のそのまた上の組織であり、外国との繋がりもあると云う…
「もしかして」
「御察しの通り。『碧紅財閥の現トップの妾の子』だよ」
都市伝説の域としてある噂。
財閥ともなればそんな噂の一つや二つあるモノだが、真逆ソレが真実だとは。
「そうか」
「…十一年前の異能大戦」
「あァ」
「じゃなくて、五百年以上前のもう一つの異能大戦」
「…知ってるが、逸話だろ?」
「その話の最後、知ってる?」
「…確か『何処からか舞い降りた破壊の天使が大洪水を起こし、世界を更地にした』だったか?」
「左眼の能力の強化形態が、それ」
マジかよ。
「らしい」
「らしいって」
「試さないと判んないじゃん」
「まァ…そうだが…何で手前がその天使?神?の生まれ変わり⁇だと判ったんだ?」
疑問符が多いのは許して欲しい。それ程今俺は混乱している。
「一応残ってた文献に載ってたその天使の容姿、能力、印…全てが一致したから」
「…印って」
「腰にある」
「…そうか」
「深く追及しないんだ」
「手前が手前である事には何にも関係ねぇからな」
白が白ならそんな事は大した事じゃねぇ。
俺も『人外』だしな。
「中也は、変わらないね」
「は?」
「四年も経ったのに、私の好きな中也のままだ」
「手前も俺の好きな白だ」