第4章 日常 N
side 中也
「サファイア」
ふわっと中身が宙に浮く。
「何してるんだ」
「能力の確認」
白には異能が二つある。一つはこれ。
“サファイア”と云い、水を操る異能だ。
水さえあれば何でも創り出す事が出来る。武器や食べ物や服とか。
自分の体重、身長以内のモノしか創り出せ無いが、結構反則技だ。
例外は大量の水がある時、例えば川とか海とか。
そう云う時は、好きなだけ大きいモノを創り出す事が出来る。
太宰曰く、
「海から巨大な手が出て来て、敵捕まえて海に引き摺り込んだんだよ?ホラーだよ。アレ」
らしい。白のその異能は“水を操る”と云う点で見ると他にもいるが、あそこまで様々な事が出来るのは珍しいらしい。
そしてもう一つの異能は、首領しか知らないらしい。
つか、異能二つな時点で反則なのに。チートかよ。
「…今日は何してたんだ?」
何となしに話しを振る。
「学校普通に行ってた。私は今日任務無いけど中也は?」
「俺は今日任務ある」
「そっか、…油売ってて大丈夫?」
「今日の任務は夜中だからな。別に構わねえ」
「ふぅーん」
白は紅茶が好きで、よく俺に煎れろとせがむ。
と云うか、こうして二人で会う時は必ず俺が紅茶を煎れる。
白が飽きないようにとなるべく味が被らないように色々な種類の紅茶を煎れる。
…自分は珈琲派のクセに。
ふと白を見ると、寝ていた。
先刻持ち上げた時にも思ったが、確実に体重が減っている。
疲れ気味、なんだろうな。
無理もないと思う。
太宰の世話に任務に学校に。
ベッドに腰掛け、そっと白の前髪を避けてやると、白い肌が見える。
顔色が悪いのではと思うほど白い肌。長い睫毛。形の良い紅い唇。
見惚れていると、白がいきなり腰に腕を回してきた。
半パニックになるが、何とか白を起こすと云う事にはならなかった。
頭を撫でてやる。
「ん…ちゅ…!!!」
ガバッと起き上がり後ずさる。
「ごめんっ、寝惚けてたっ」
「あ、否…疲れてたんだろ?」
先刻の行為は別に気にしてない。と見せる為に手を差し出す。
おずおずと差し出された手を取り、引き寄せる。
「中也」
「如何した?」
何処か掴み所のない瞳を向けてくる。