第16章 底
白が消えてから二度目の冬。
寂しいのは事実だ。事ある事にくっついてきた彼奴。キスだって、体だって繋げた。
「中也」
たまに空耳が聞こえたりもする。
彼奴が消えて、太宰がよく構ってくるようになった。
まるで彼奴みたいに夕飯を食べに来たり、悪戯されたり。
その間は寂しさが和らいでいた。
が、俺が西方の小競り合いを片付けて帰って来たある日、太宰は友人である織田作之助の死をキッカケに姿を消した。
最下級構成員、織田作之助の死亡。
専属情報員、坂口安吾の追放。
最年少幹部、太宰治の失踪。
事務員、蓮見蓮の失踪。
織田作は太宰の最後の支えだったんだろう。
付いてくるかい?と聞かれて付いて行ったんだろうな。蓮は。