第6章 彼女の秘密 N
「白」
「んー…三十分?」
「嗚呼。…太宰から連絡来たぞ。貸してあげるってな」
「そ…」
寝惚けてんなぁ。
「珈琲ゼリー、美味かった」
「善かった」
白は感情が表に出るなと思う。
喜怒…楽。泣いてるのは見た事ないな。
「…」
「中也、来てよ。真面目なのもいいけど、一寸位構って」
嗚呼、信頼されてるんだなぁ、って思う。
白の隣に座る。
「中也。異能力って生命体って話。知ってる?」
「嗚呼…」
知ってるも何もないんだけどな。
「…一つの器には一つしか入れられない」
「は?」
「普通異能は、一人一つだよね。おかしいって思わなかった?私が二個持ってるって聞いて」
「チートかよって思った」
そう云うとポカンとした顔をした後吹き出す。
「チート…!其の切り返しは予想してなかった!流石中也だね」
…莫迦にされてる?
「ごめん、ごめん。……私の能力は、異能じゃない」
「え」
「包帯の異能無効化が効かなかったからね」
「…凄いな」
「“何者”とか聞かないんだ?」
「は?白は白だろ」
「…そう云ってくれるのは中也だけだよ」
そんな事云っても、
「否…話も聞かずに無理矢理キスして悪かったな」
「…確かに最初はびっくりしたけど、寧ろ中也があんなに感情を見せてくれて嬉しかった」
「莫迦」
「中也が私の事嫌いになったんじゃなくて善かった。中也とのき、キス…は嫌じゃない…から、またしてほしいな…」
可愛いな。何処までいっても。
「嗚呼…手前がいいなら」
「…中也、今日泊まらせてよ。夕飯作るの面倒くさい」
「は、別にいいけど…」
「やったぁ!中也の料理好きなんだよね」
そう云われるのは悪くない。
「何が食いたい?」
「イタリアン♪」
ザッと冷蔵庫の中身を思い浮かべる。
「了解。…なら買い物行かねえと」
「私も行きたい」
「仕事終わったら連絡しろ」
「うん」