第5章 日常 D
連れてかれたのは、白ちゃんのセーフハウスだった。
しかも、彼女が一番使っているセーフハウス。
「可愛い部屋だね」
「包帯の部屋よりは、ね」
シンプルながらも女の子らしい部屋。
「お茶煎れるよ。何がいい?」
「…緑茶?」
「OK。あ、お風呂入っていいよ」
「え」
「…着替えは…適当にシャツでいい?スェットボトムでもあるかな…あ、中也が買ってきたやつでいっか。…中也の小さいけど多分大丈夫だよね」
中也って泊まった事あるって事?
聞きたいけど、聞きたくない。
「…ちゃんとお風呂入ったら、包帯巻き直すサービスしてあげるよ」
「入ります」
ほぼ即答だった。
「白ちゃん、出たよ」
「ん、…傷だらけだね。其処座って」
久し振りに包帯を全て取った。
この姿を見た事があるのは、君がハジメテだよ。白ちゃん。
「左脇腹と、右の二の腕、脹脛」
「よく判るね」
白ちゃんが指したのは自殺で出来たのじゃない傷の事。
はぁっと溜息をつき、
「左肩の傷新しいね?私が学校行ってる間に優雅に自殺ですか?」
「…ここ数日はしてないよ」
「何時?」
…此れは云うしかないな。
「昨日、張り込みしてたら、引っ掛けちゃって」
心底驚いた。と云う顔を向けてくる。一寸傷付くのだけど。
「…美女に傷を付けられるのはどぉ?」
「美女より、白ちゃんに付けて欲しいよ」
半分冗談、半分本気で云うと、ニヤッと笑って
「へぇ、云ったね」
ピッと爪で傷を付けられる。
「痛っ」
ぷくっと血が出てきて、其れを吸われる。
僕の優秀な頭脳でも、ヒートしそうだ。
「白ちゃん⁈」
「不味っ」
「君、一体何して」
「良いモノ見せてあげる」
は?
コップに水を入れてきて、
「サファイア」
と云って、水をガラス細工に変える。
「持ってみてよ」
「僕が持ったら濡れるでしょ?」
「いいから♪」
楽しそうに催促してくる。
取り敢えず、指で突っついてみる。
「あれ」
変化がない。
何時もなら、たちまち青い光と共に形が崩れてしまうのに。
持ってみる。
「…持てた」
何をしたの?