第1章 恋はプレーン味
「ふざけんな。満点とか取れるわけねぇし」
なんか腹立ったからいじめたくなってきた。
夜道で手を繋いで歩くとかエロいし、我慢はよくないし、なんかこいつ俺のこと好きそうだし。
「テストの点とか関係ねーだろ」
繋がる手を乱暴に引き寄せ唇にキス。そして左手はそえるだけ。
思いやりとかなんもなく、ただむしゃくしゃした気持ちをぶつける。
性欲にまかせ、目の前の女の子を傷つける。
あ、おっぱいすご、無理だ揉まざるを得ない。うわ、うわ…スゴい、唇もおっぱいも柔らかい。スゴいとしか言いようがない。やばい止まんない。舌入れてみ——
「やめ…てっ!!」
突き飛ばされ手が離れる。おっぱいを隠しながら身構えて俺を睨みつけてくる。
そして、怒ると思ったら泣き出した。
「もうっ、やだっ、誰にでも言ってるくせに…!しかもキスとか…!初めて…だったのに!」
「あはは、いやぁ、自分でもビックリした」
さすがにクズすぎた。
やった後で恥ずかしさと後悔が襲ってくる。
「信じらんない!バカ!」
「悪かったよ」
ほんとにごめんな。
将来のこと考える前に、俺は目の前のこの子を笑わせないといけないらしい。
のに!本能に正直すぎてクズな行動しかしてないどーしよーーー!?
謝りまくってるのに泣き止まない。
今おまわりさん来たら俺確実にしょっぴかれる。
そうだよな。また許可なく胸揉んじゃったもんな。
困り果てて、テキトーに謝って誤魔化すのすら出来なくなった俺は——
「つか誰でもじゃねーし!俺だってチューも胸も初めてだし!」
拗ねた。
「なんで逆ギレしてるの?被害者私なんだけど!」
「うっせぇブス!俺のファーストキス奪っておいて被害とか言うなよ!」
「奪ったのはそっちでしょ!」
「しょうがねーだろ好きなんだから!さっきから我慢の限界なんだよバーーカッ!!」
ついに好きなのを明かした途端、のぞみちゃんは目を見開きフリーズした。
お互い顔が赤い赤い。
泣き腫らしたのぞみちゃんの目をTシャツで拭ってやり、再び手を結んで歩き出す。
「突っ立ってないで行くぞラーメン!」
「あ、は、はい…」
なんだかんだ両思いだろ、これ。
次のキスは醤油味かな。
恋はプレーン味——完