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No one else【あんスタ】

第2章 淫猥な目覚め/朱桜司R18※※



あんずは荒く息をしながら愉悦に浸る司の表情を見ると、心が震えた。
自分が彼をそうさせている。その事実に心のどこかで嬉しさを感じてしまっていたのだ。

「あっ司、くん……あぁっ」

あんずの中が快楽に収縮し、司はたまらず腰をぐっと押しつけた。

「お姉様……っ」

司が切なげな声をだし、あんずに力無く覆い被さると、あんずはそれで行為が終わったのだと知った。

「…………司、くん」

取り返しのつかないことをしてしまった。
その事実に、あんずの目から涙が零れていく。

「お姉様……泣いているのですか?」

もう、何もなかった頃には戻れない。
あんずは司のことが好きだと、意識してしまった。
彼女は口を開こうとすると、司をはそれを人差し指で制した。

「お姉様、何も言わなくていいのです。全て、わかってますから」

司のことが好き。そう口にしなくてもいい。わかっているからと、そう言っているような表情を司はしていた。
立場上、想いを重ね合わせることが出来ないとしても、これからも司に求められていたい。
そう心の中で思いながら、司とあんずはどちらからともなく唇を寄せ合った。

Fin
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