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息吹【気象系BL小説】

第1章 1年生



そんな中、全く話し合いに参加しようとしない1人の生徒
面倒くさい気持ちも分かるが…と思いながら声をかけようとすると、


「ちょっと、クラス皆でやるんだから俺関係ねぇみたいな態度やめなよ」


かったるそうにしていた男子生徒に向かってきっぱりと言い切ったのは吉岡だった

するとそれに続くように桜木も立って


「1人でもいないなんてつまんないじゃん
せっかくなら全員で楽しもうよ、クラス全員で!」


2人の言葉に周りの生徒たちも盛り上がり始め、言われた生徒はごめん、と謝るとその後は積極的に話し合いに参加した




「どしたの、相葉ちゃん。ニヤニヤしてる」


学校での一コマを思い出していると、一緒に飲んでいた大野先生に笑われた

話し合いの様子について教えるとおぉ、やっぱりあの2人はクラスのリーダーみたいだなって小さく頷く


何だか自分が褒められているようで嬉しくなる


そんな2人のおかげもあって、文化祭はもちろん、三学期の合唱コンクールも無事クラス全員で乗り切ることが出来た






1年が終わる頃にはクラスはすっかり打ち解けて、俺にタメ口で話してくる生徒も多くなった
(他の先生の前では気を付けろ、という大野先生のアドバイス通り教室のみなら、と条件は付けたが)


2年生からは文理選択によってコースが分かれるけど、入学の段階である程度の意思確認はしていて、日本史担当の俺はその時点で文系選択をしている生徒を受け持った

その中から2人だけ理系に進みたいという生徒がいたが、文系をそのまま選択する生徒たちは持ち上がりで俺が引き続き担任することになった



初めて担任をした1年間の充実感や達成感と、また4月からも同じクラスを受け持てる嬉しさで胸がいっぱいだった



だから、知らなかった


吉岡と桜木がこの時、深い苦しみの底にいたことも、
そんな2人を俺ではない誰かが救っていたことも、





全部全部、知らなかったんだ
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