第14章 記憶のカケラ
はキッチンに着くとエプロンを着けた。
『ハムサンドだけじゃ安室さんは足りないかなぁ?』
は冷蔵庫の中身を確認してレシピを考える。
『カレー粉と挽き肉があるし、カレー風味のミートボールを作ろう。安室さんカレー好きだったし』
は手際良くミートボールを作る。
『うん、いい感じに出来た。後はハムサンドだけだね』
は冷蔵庫から具材を出すと安室直伝レシピで ハムサンドを作る。
『これを食べて安室さんが何か思い出してくれたらいいな』
は出来上がった昼食をテーブルに並べると安室を呼びに行った。
コン、コン
は安室の部屋のドアをノックする。
「安室さん、お昼ご飯出来ました」
安室「待ってました。楽しみです」
安室はニコニコしながら部屋から出てきた。
2人で一緒にダイニングに向かう。
安室「いい匂いですね。この匂いはカレーですね」
「安室さん、男性だからハムサンドだけじゃ足りないかなって思ってミートボールを作りました。安室さんはカレーが好きだったからカレー風味にしてみました」
安室「お気遣いありがとうございます。いただきます」
安室がミートボールを口に運ぶ。
「お口に合いますか?」
は心配そうに安室を見つめる。
安室「とても美味しいです。ハムサンドもいただきます」
安室はハムサンドを1つ掴むと1口で食べた。
はじっと安室を見つめる。
安室「そんなに見つめられると照れますね。このハムサンド、なんだか懐かしい味がします」
「あ、ごめんなさい。安室さんの反応が気になって見つめちゃってました。安室さん直伝レシピですから懐かしく感じるのかもしれませんね」
安室「そうかもしれませんね」
安室は昼食を食べながら、何か言いたそうにを見ている。
「安室さん?どうかされましたか?」
安室「さんって本当に沖矢さんと仲が良いんですね」
「え、いきなりどうしたんですか?」
思いもよらない質問には戸惑いミートボールが喉に詰まりそうになり慌ててお茶を飲んだ。