第7章 攘夷集団とチンピラ警察
「……銀さん、優香さん。アンタ達攘夷戦争に参加してたんですか」
「戦が終わると共に2人とも姿を消したがな、お前達の考える事は昔からよく分からん」
私は刀は受け取らずに口元を隠すだけで目元が露わになっているお面の方だけを受け取った。レザーマスクのお面版といえば分かりやすいかな。
そしてコタが持っている刀も私にとって馴染みのある刀…白刃の刃を持つ刀、名刀『羅刹』
両方とも両親から送られた最初で最後の贈り物。
私は銀とコタのどうでも良い言い争いをそっちのけで面を見ていた。
「……」
「あの、優香さん?大丈夫ですか?」
「どうしたのだ優香」
「別に。何でもない」
私はそんなに気にかけられるような表情してたんだ。いつもはポーカーフェイスを貫いているのに…。
「天人を掃討し、この腐った国を立て直す。我等生き残った者が死んでいった奴等にしてやれるのはそれぐらいだろう…そうは思わないか優香」
「私は……」
「お前の戦での闘いぶりはまさに種族の名に劣らぬ見事なものだった。まさに鬼神の姫、一族の棟梁として相応しい強さと気高さを持っていた。あの時の気高さで士気を上げ、敵を圧倒する『鬼神姫』となってくれないか」
「おい、いい加減にしろヅラ。もう優香にはあの時のように刀を振るう意思はねぇんだよ。それに古傷をえぐる真似はやめろ」
私を庇いながらコタに言い放つ銀。銀の言う通り私はもう天人に刃を向けるかなんてないんだから…