第6章 第一印象だけを見ちゃダメ
キャサリンはお登勢さんが話している間に銀の原チャリで轢こうとしていた。
が、当然私がそんなことさせるはずがない。私は約束したんだ。
私の命を救ってくれたあの人を守る______
私はお登勢さんの前に立ち片足で原チャリを止める。これにはキャサリンも驚いたらしい。
「ハ?!」
「銀!早くして頂戴、そんなに長く止められないわよ」
「分かってんよ!!はぁぁぁ!!!」
水の中から音を立てて出て着た銀はキャサリンの頭を拳で殴る。まぁ当然原チャリから落っこちたよ。
何はともあれ一件落着ね。
というか銀達パトカーごと落ちた感じ?ウソでしょ?
これ賠償金請求されるんじゃ…うわ、それはそれで…うーん…
私が的外れなことを考えていると警察も到着したようでキャサリンが逮捕されて行った。
「仕事くれてやった恩を仇で返すたァよ。仁義を通さない奴ってのは男でも女でも醜いねぇ、ババア」
「家賃も払わずに人ん家の二階に住み着いてる奴は醜くねぇのかい」
「ババア、人間なんてみんな醜い生き物さ」
「お前言ってること滅茶苦茶だから、自重しろよ」
人のこと言えないって自覚したんなら家賃払えこの馬鹿…はぁ…私も頑張らないと…
「…まぁ今日は色々世話になったからね、今月の家賃くらいはチャラにしてやるよ」
「えっ!!ありがとうございます!!」
「マジでか!ありがとうババア!再来月は必ず払うよ!」
「「何さりげなく来月スッ飛ばしてんだ‼︎」」
銀…馬鹿だろ!お前馬鹿だろ!!
私とお登勢さんは同時にアホの坂田にツッコミを入れるのだった。