第6章 第一印象だけを見ちゃダメ
話によれば最近ここら辺で売り上げを持ち逃げされる事件が多発しているらしい。なんでも犯人は不法入国した天人なんだとか…。
「それって先週くらいに初めて発生した感じですか?」
「まぁそうだね、一番初めは○○って店で…」
めっちゃこの辺じゃん!!
事件が起きて言った順に考えると次のターゲットは恐らくこの店から見てもそう遠くはない。むしろ此処の可能性だってある。それでキャサリンさんがこの店で働き始めたのが今週中、先週くらいから多発しているのなら……言っちゃ悪いけどキャサリンさんが犯人でもおかしくは無い。
それに…なーんかキャサリンさん、きな臭いのよね。
「うちの店は大丈夫だよ、そんな悪い娘雇ってないから」
「……。」
「どした?優」
「いや、ちょっと色々推理してた」
「推理ってお前なぁ…」
なんだ、馬鹿にしてんの?
ちょっとだけ、イラっと来た時店の外で何やらエンジンを蒸す音が聞こえた。え?私のではなさそうだけど…。
私とお登勢さんは慌てて外を見る。外ではなんとキャサリンさんが銀のバイクに乗りレジやら何やらを積んでトンズラしようとしていた。
「アバヨ、腐れババア」
そしてこの捨て台詞である。
……やっぱお前が犯人だったかぁぁああ!!!