第2章 万事屋銀ちゃん
結局、私たちが乗った船が落ちたのは海だったから助かった。
キノコ達は駆けつけていた警察によって逮捕されていったし一件落着かと思いきやなんかうちの馬鹿兄貴警察と揉めてるんだけど。
何やってんのアイツ、馬鹿?馬鹿なの?
「んだよぉ!!江戸の風紀を乱す輩の逮捕の協力を手伝ってやったんだぞ!!パトカー拝借したことくらい水に流せよ、ネチネチしつこいんだよ!」
うーわっ、アイツ正真正銘の馬鹿だったわ。
銀と警察のやり取りを呆れ返りながら見ている私は思いっきり溜息をついた。
「はぁ…ホント呆れた…」
「貴方も大変なのね」
「あっ…妙さん…」
「あら、さん付けしなくて良いのよ?」
えー…でも色々抵抗があるんだけど……
私が口ごもっていると妙さん威圧してきたから渋々付けないことにした。これから妙ちゃんって呼ぼう…
「…弟の事、よろしくね」
「ん?」
「新ちゃんってば貴方達の中に何かを見つけたみたいで、自分の剣を探すために貴方達の元で働くって決めたのよ」
えっ…私達の元で大丈夫なの?!私なんて給料1円も出してもらってないんだよ?!大丈夫なの?!
まぁ…光栄なんだけどね。まんざらでもない。
「分かりました、お任せください」
「ふふっ、お願いね。後、敬語も無しね?」
「えっ」
「無しね?」
「……はい」
この人…グイグイくるなあ…調子が狂うよう…