第1章 思い出
「残し置く 言の葉草の次なれと いはて別れるる袖の白露」
『あなたに、残し置きたい言葉は多いけれど、何も言わずに別れた私の袖は、草に濡れた白露の様に涙で濡れています/伊東甲子太郎』
※伊東鴨太郎のモデル?の方です。
「瀬をはやみ 岩にせかるる滝川の 割れても末にあはむとぞ思ふ」
『川の瀬の流れが速いので、岩にせき止められた流れは一度二つに別れるけれど、また一つに合流する。そのように、今は別れている人とも、いつかまた必ず会おうと思う/崇徳院/小倉百人一首』
「誰に見せ 誰に聞かせむ山里の この暁も ちかへる音も」
『誰に見せ、誰に聞かせようか。山里のこの美しさも、ほととぎすの鳴き声も/菅原孝標女/更級日記』