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祝福されないドロップス【尾形百之助】【BL】

第15章 思い出作り




俺とすずのあいだに第一子が誕生。勿論、両親には誰の種子であるかは告げていない。俺たち三人の胸の内に留めている。娘の は五体満足ですくすくと育ち、親バカも良いところで仕事休憩の時間をぬって娘と戯れる。


【慶次】
いないいな~い・・・・ばあ!

【 】
きゃ!きゃ!


手を叩いて喜んでいる を抱き上げ、ぷにぷにとした柔らかい頬を突く。


【慶次】
また少し重くなったな。なにそんなに美味しいもん食べたんだ~?ん~?

【 】
まんま。としゃん。

【慶次】
!?──お、おいっ、今の聞いたか百之助。こいつ「お父さん」っていったぞッ

【百之助】
娘と戯れるのはいいことですが、今はちゃんと食ってください。休憩中です。

【赤松父】
そうだぞ慶次。お爺ちゃんもそう思う。な~、 ちゃん。


居間で姿勢正しく食べている百之助は半場呆れた様子の物言いで、一緒に食っていた親父も百之助に同調する。
娘がはじめて父親の名前を呼んだというのに、何なんだこの扱い。 が初めて人の名前を口にしたから羨ましいのか?きっとそうに違いない。


【赤松父】
そういえば百之助くんは来年で20歳になるな。猟銃の才能もあるし、兵営したら重宝されるんじゃないか?

【慶次】
──っ、

【百之助】
それは光栄ですね。ぜひ活躍してみたいものです。

【 】
だあ?


親父は突然面白くない話を持ち出され、俺はムッと唇を尖らせる。

いらんことをいう俺の口を遮るように百之助が声を発し、目配りされたので苦渋を飲み込む。その心を洗い流すように腕の中にいた娘は、無邪気に笑い声をあげるのだった。




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