第5章 猫*
指舐めを続ける百之助の意図が変わらず、この性欲をどこにぶつけて良いのだろうか。
指舐めってこんなに感じるものなのか?
下半身を弄られてるときは何も感じなかったのに。
ただ指を舐められてるだけなのに、すでに犯されてるような気分だ。
心臓の音がすごい鳴ってる。
弄ってもいない下腹部が熱を帯びている。
百之助だから、こんなに感じているのか?
【慶次】
百之助・・・・、急にどうしたんだ?
問うても何も答えず、熱心に舌を舐め続けている。
ねっとりとした体温持つ生き物が指を吸い、そんな風に舐められるとまるでチンポを弄んでいるような姿を連想してしまい妄想が止まらなくなってくる。
百之助とは健全な関係でいなくちゃならない。
百之助はまだ子供だ。
無邪気で可愛い子供だ。
性に興味があるのは、いたって健全な男児。
俺の周りの友人だって下ネタが大好きだし、きっとそういう類だ。
それがたまたま俺が最初に教えたから、俺に何か教わりたいだけだ。
健全な何かを。
あれを咥えたいとか、あれをしたいとか、あれを入れて欲しいとか、そういうんじゃない。
【慶次】
(ダメだっ。このまま続けてたら本当に戻れなくなる──)
【百之助】
あ。
チュパっと音を鳴らして、百之助の口元から手を引いて遠ざける。
指に残る生々しい感覚。
艶めいている自分の指先。
銀色の糸をひいた指に異様な興奮を覚え、自分の唇に押し当てて指先を少し舌でつつく。