【リヴァイ】Calmi Cuori Appassionati
第20章 Until We Meet Again... ※
耳をつんざいていた轟音が、徐々に遠ざかっていく。
視界がだんだんと晴れ、再びのどかな田園風景に戻っていた。
すでに太陽は落ち、空一面に星が輝いている。
手足の感覚が戻ると、自分はちゃんとサクラの体を抱きしめていた。
「サクラ・・・」
ああ・・・
今、全て分かった。
「お前を殺すことになった力は、俺が分け与えたものだったんだな」
だが、もしあの雪山でリヴァイと出会っていなければ、サクラはあの場でロゼとともに死んでいただろう。
常人離れした肉体でなければ、ロゼを抱えて下山することなど不可能だった。
「ごめんな・・・サクラ」
リヴァイはサクラの顔を胸に押し当てた。
あの雪山で触れたように、冷たい肌。
「それでも俺は・・・ッ・・・お前に会いたい・・・!」
サクラを殺す力だったとしても・・・
「お前は、俺に温もりを教えてくれた」
自分にのみ許されたこの力を分け与えたことに後悔はない。
「お前は、俺に愛情を教えてくれた」
そして・・・
世界がこんなにも美しいということを、教えてくれた。
この思い出だけで、俺はお前のいない世界だろうが守っていこうと思える。
「ありがとう・・・」
そっとキスを落とし、サクラを抱き締めながら自身も横たわる。
ああ、空に散らばる星が美しい。
このまま眠りにつこう。
酷く疲れた。
「サクラ・・・俺はずっとここにいるからな」
そして、静かに瞳を閉じた。