• テキストサイズ

きつねづき

第15章 下剋上


さえりはしばらく固まっていた。

嬉しくて、恥ずかしくて。

でも嬉しくて。

「さえり、お前はそれでいいのか?」

秀吉が静かに問いかける。

「うん、光秀さんがいいの」

「そうか」

秀吉は優しく微笑んだ。

「光秀、さえりを泣かすなよ」

「泣かさないというのは約束できないが、大事にする」

秀吉はハァーッとため息をついた。

「苦労する男をわざわざ選ばなくても」

「苦労するのがいいんだろ、なあさえり?」

「もの好きですね」

「お似合いですよね、お二人とも」

「三成、俺の言った事聞いてた?」

「はい!家康様も祝福されてるんですよね!」

「もういい。お前とは話さない」

「まあまあ、素直になれ家康」

「大きなお世話です」

「さえり、何かあったらすぐ相談するように」

「頑張れよ、さえり」

「まあ、良かったんじゃないの」

全員が口々に二人を祝福する。

「みんな、ありがとう」

さえりはニッコリと微笑んだ。

/ 62ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp