• テキストサイズ

きつねづき

第15章 下剋上


ふらふらと安土城の廊下を歩くさえりに三成が声をかけた。

「さえり様、お疲れですか?」

「うん、ちょっと寝不足……って三成くん!」

半ば無意識に答えていたさえりが我に返ったように飛び上がる。

「無理をしてはいけませんよ」

また針子の仕事で無理をしたとでも思ったのだろう、三成はニコニコと笑顔で釘を刺す。

「う、うん、そうだね」

さえりは違うとも言えず、曖昧に頷く。

「そろそろ軍議が始まりますので、広間へお越しくださいね」

「わかった」

無理をするなと言われても……

光秀さんが離してくれないし……

さえりはそこまで考えて赤面した。

ずっと頬が緩みっぱなしだ。

さえりは自分の頬をパンパンと叩き、気合いを入れ直してから広間へ向かった。

/ 62ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp