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きつねづき

第14章 あなたと


外が充分明るい事に気がついて、さえりは目を開けた。体はだるいが、心地よい疲れだった。

ふと横を見ると光秀の寝顔があった。光秀の腕はさえりの肩を抱いていた。

そっか、私、昨日光秀さんと……

濃厚に愛し合った事を思い出し、さえりは一人赤くなる。

「綺麗……」

光秀の寝顔を見つめていたさえりは思わず呟いた。

男性に使うのは間違っているかもしれないが、透明感、というのだろうか。

さえりは引き寄せられるように、光秀に口づけた。

その瞬間。

パチッ、と光秀の目が開いた。

「お前が俺の寝込みを襲うとは。油断ならないな」

さえりは飛び上がりそうになる。

「お、襲った訳じゃ……! 起きてたんですか!?」

「どうだろうな」

今度は光秀が、さえりに口づける。

「一人赤くなって何を想像していた? 笑いを堪えるのに一苦労だったぞ」

「それに綺麗と言うのは、お前のような女に使う言葉だ」

「やっぱり起きてたんじゃないですか……」

光秀に翻弄されっぱなしだとさえりは思う。でも嫌じゃないのが困りものだ。

光秀が覆い被さってきた。

「お前が誘ったのだからな」

「誘った訳では……んっ」

深く口づけられる。

朝から二人は愛し合ったのだった。

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