第2章 前世の記憶
勿論ファンとしては実際に会いたいし、聖地巡礼したいし、やりたいことだらけだが関わりを持ってしまうと色んな事件に巻き込まれてしまう可能性があるし、何よりわたしが関与することによって原作のストーリーを崩壊させてしまう恐れがあった。
そうと決めたら次やるべきことは、次に起こるであろう事件に備えるということだ。
名探偵コナンはサザエさん方式のようにキャラは歳をとらないのだが、過去の回想シーンは多いから時系列があるのかないのか不思議だ。
『確か最近起きた事件がこれだから……』
と、ネットニュースを頼りに今物語がどの辺りまで進んでいるのか確認する。
『えぇっと〜確かキッドが龍馬のお宝を返しにくるみたいなことが最近あったから…』
自分が覚えてる限りの事件を順番に書き、何となく時系列が見えてきた。
『ウェディングイブ事件がまだだから、安室さんはまだ登場してなくて赤井さんはもう沖矢昴になっていて……と』
『次に起こるのは、ロンドンのやつかな?いや、その前に平次と和葉が出てくる犬伏家の事件があったな…その何話か後に世良ちゃんが初登場するんだよな〜!』
『よし、とりあえず帝丹高校周辺とか探偵事務所とかポアロにさえ行かなければ出会うことはない!』
『……待て待て、重大なことに気づいてしまった。蘭ちゃんと接点あるじゃん!わたし!わ、わたし帝丹高校空手部の元主将じゃん!』
やってしまった……直接指導していたわけではないが、わたしが高3の時部活動見学かなんかで中3の蘭ちゃんが来ていた。蘭ちゃん程強くはないし、あれから2年ほど経っているため多分大丈夫だろうという結論に至った。
前世の記憶を思い出してから数日、米花町を探検する勇気がなくお隣の杯戸町に行ってプチ聖地巡礼をしたり、普段は撮らない米花町の街並みを写真に収めたりしていた。
しかし、わたしは忘れていた…翌日に迫った学祭で起きる事件のことを…