第2章 前世の記憶
『……何だったんだろう。今の夢。』
何故か今日見た夢が脳裏にしっかりと焼き付いている。普通夢はすぐ忘れるものなのに……
不思議に思うも今日は朝から講義があるから、大学へ行く準備をしようとまだ寝ぼけている体を無理やり起こした。
松原しずく。昨日20歳になったばかりの大学2年生だ。親は……いない。というか、家族がいない。みんな亡くなってしまった。
親はわたしがまだ小学生の時に交通事故で死んだ。その後祖父母に引き取られるも、わたしが高1の時に癌で死んでしまった。
言わゆる天涯孤独の身というやつだ。
何処にでもいるごくごく普通の大学生。
……のはずだった
『はぁ……今日の講義全然頭に入ってこなかった〜』
今日見た夢が何故かずっと頭の片隅にいる。しっかり記憶として存在しているのだ。