第5章 ウェディングイブ
『へ?教育係?……ええええええ!む、無理ですって!』
店長「あ、断ったら賄い無しね。」
『ぐっ……卑怯な奴め……』
店長「心の声ダダ漏れだぞ〜」
……ということで安室さんの教育係になってしまいました。穏やかじゃなぁぁぁぁい!!
安室「よろしくお願いします、松原さん。」
『あ、よ、よろしくお願いします』
わたしは夢でも見ているのだろうか…と疑いたくなる程、安室さんは安室さんだった(?)
高身長でイケメンで甘いマスクと物腰柔らかな彼は、女性ファンからの圧倒的支持を受けるのも頷ける。
『…安室さんって器用なんですね。少ししか教えてないのにもうこんなに出来るなんて!』
安室「松原さんの教え方が上手だからですよ。」
安室さんは完璧人間だということは知っていたけど、所作や立ち振る舞いは本当に完璧だった。
その日のバイトが終わり、帰ろうと外に出ると安室さんが誰かと電話しているのが見えた。別にやましいことは無いが、何となく隠れて様子を伺ってみた。
よく聞こえないが、"風見"と言っているのが聞こえたので恐らく風見さんと公安絡みのことを話しているのだろう。