第2章 蝕む病魔
数日後。
裕太「じゃあ行ってくるけど、俺がいなくても無理しちゃだめだよ」
「わかってるよ」
裕太「何かあったら、直ぐに電話して…………あー、何もなくても電話して」
「うん、そうする」
裕太「………」
「大丈夫だよ(笑)急がないと、マネージャーさん待ってるよ」
裕太「う、うん。じゃあ、行ってくる」
「いってらっしゃい、頑張ってね」
後ろ髪を惹かれるように、裕太はツアーに向かった。
裕太の足音が聞こえなくなると、私はその場にしゃがみこんだ。
本当は立っているのも辛かった。
けど、裕太に余計な心配をかけたくなかった。
「お願い、もう少しだけ頑張って…………お願い………あと少しだけ………」