第1章 秘密
「ただいま」
裕太「おかえりー。外暑かったでしょ?何か飲む?」
「うん、ありがとう」
私はソファに座ると、裕太が入れてくれた麦茶をひと口飲んだ。
「冷たーい!生き返るぅー!!」
裕太「それはよかった(笑)それで、病院はどうだった?」
「うん、ただの夏バテだって(苦笑)」
裕太「今年はほんと暑いもんね………はあんまり体強くないんだから、無理しないようにしないとね」
「うん、わかってるよ。心配してくれてありがとう」
裕太「お礼なんて言わなくていいよ。はいつも笑顔で俺の側にいてくれる事が、一番嬉しいから」
そう言って私を抱きしめる裕太。
私が一番安心する場所。
ねぇ、裕太。
私がいなくなったら、あなたは別の人を抱きしめるの?
私はそれでも構わない。
裕太が、それで幸せならば………
でも、私の命が燃え尽きるまでは………
その日が来るまで、私を抱きしめていてほしい。
裕太「?大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ。ちょっと疲れただけだから」
裕太「じゃあ、ゆっくり休みな」
「うん」
私の髪を、優しく撫でる裕太。
その温もりを感じながら、残り少ない時間の事を考えていた。