第11章 秀徳戦
火神「くそっ!!」
伊月「火神、あつくなりすぎだ!!もっと周りを見ろよ。」
先輩らの言葉を聞かず、イライラを隠さない火神君。
火神「・・・今必要なのは、チームプレーじゃねー。オレが点を取ることだ。」
『・・・・・。』
チームプレー、じゃない・・・。
『・・・チームプレーをしないで、何をするの・・・。』
日向「っ!?おい。」
『チームプレーが必要じゃない!?じゃああんたは何をするの!!一人で点をとるってなに!?バスケなめんなっ!!』
私の言葉が終わった瞬間、ガっ!!と鋭い音がした。
リコ「黒子君っ!?」
テツヤが火神君を殴ったのだ。
火神「黒子、テメェ!!」
黒子「バスケは、一人でやるものじゃないでしょう。」
火神「皆で仲良くガンバりゃ負けてもいいのかよ!?勝たなきゃイミねぇよ!!」
胸ぐらをつかまれてもなお、テツヤはしっかりと火神君を見据える。
黒子「一人で勝ってもイミなんかないだろ。キセキの世代を倒すって言っていたのに、彼らと同じ考えでどうすんだ。」
だが、テツヤの言葉は届かず、火神君はテツヤを殴り飛ばした。
火神「甘っちょろいこと言ってんなよ!そんなん、勝てなきゃただのキレー事だろーが!!」
黒子「・・・じゃあ、勝利ってなんですか。試合終了した時、どんなに相手より多く点をとっていても、嬉しくなければそれは勝利じゃない・・・!!」
『っ火神君!!』
お願いっ。キセキの世代と呼ばれる彼ら、皆のようにならないで。
私は今にも泣き出しそうになっていた。
火神「っ!?・・・悪かった。勝ったとき嬉しいほうが、いいに決まってる。」
『・・・火神くん。』
テツヤの体を張った言葉によって、火神君は落ち着いた。
でも、私たち誠凛の立場はピンチにかわりない。
だけど・・・テツヤのはもう一つの武器があった。